新型コロナウィルスの影響で9月入学が話題にあがっていますが、9月入学のメリット、デメリットについて調べてみました。
今年度だけの問題にするのか、長期的に9月入学を検討するで考え方は変わってきますが海外では当たり前の9月入学のメリット、デメリットはどこにあるのでしょうか?
9月入学は海外では主流なのになぜ日本は4月入学なのでしょうか?
桜が咲く4月に入学というのは日本独特のもので、海外では9月入学が当たり前の国が多いのです。
明治時代には西洋の教育の導入とともに、西洋に合わせて9月入学だったのですが1886年に変更になっています。当時、政府は1月~12月の暦の上での年度とは別に会計年度を設けています。4月~3月までを年度として官公庁の予算を管理し出したのですが、これが始まりです。その当時はお米が税金の収入源でしたので、秋に収穫したお米を現金化して納税するには12月締めでは間に合わなかったため年度の始まりを変えざるを得なかったのですが、イギリスの年度会計に合わせて4月~3月までを年度としたと伝わっています。
引用元:ベネッセhttps://benesse.jp/kyouiku/201504/20150406-4.html
結局のところ国が税金を管理しやすいだけで4月スタートになったので、それに合わせて4月入学だったのですが、海外でも9月入学の国は以下の通りです。
【9月入学の国】
アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国
実はイギリスも9月入学には既に変わっていました。当時、先進国の中心だったイギリスでさえも9月入学なのです。
次に9月入学のメリットとデメリットについて調べていますが、新型コロナウィルスの影響がある今年だけを考えることも必要ですが、国際化に対応してのメリットやデメリットも考えておく必要がありそうです。
9月入学のメリット
学習時間を取り戻すことができる!
4月入学してから生徒は学校に通うことができておらず、勉強がまともにできていません。塾なども開校していませんので自宅にて自習するしかありませんが、私立の学校のようにオンライン授業を
取り入れる学校は極まれかと思われます。
このような状況が続くと生徒によって学習量に差が発生してしまいます。9月スタートで気持ちを切り替えて勉強させてあげてほしいものです。
学生生活を取り戻せる!
学校行事は春からありますが、すでに何もできていません。学校によっては遠足、林間学校、修学旅行、運動会などたくさんの予定があったでしょう。クラブ活動も楽しみにしている学生はたくさんにいますが力を発揮できな状況です。
そもそも入学しているのに同級生にも顔も合わせることができない状況で友達もできませんよね。
なんとか学生生活を取り戻させてあげてからスタートを切らせてあげたいものですね。
これらは新型コロナウィルスの影響のある2020年度のみ考えた場合ですが、将来的な9月入学のメリットもあります。
国際化に合わせることでグローバル化への対応が可能
海外の主流な国に合わせることができるので、海外に留学する学生はタイミングが合うので入学しやすい。今まで9月入学の国とは入学する時期が半年間ズレていましたので、同学年の生徒と一緒にスタートが切れなかったのです。
更に海外留学した学生は帰国すると日本の学校とは半年間の差があり、留年することになります。どうも日本の学生が海外留学が進まない理由の大半がこの課題ですがこれも解決しますね。
9月入学のデメリット
入学式が桜のシーズンではない
4月入学ですと桜をバックに写真撮影なんて光景が目に浮かびますがこれにこだわる人にとっては無理ですね。もっとも最近は4月の入学式が必ずしも桜のシーズンに合致するわけではありませんので
桜シーズンにこだわる人は少ないでしょう。
学生や先生など教育現場の混乱
教育現場ではすでに4月入学したと思ってスタートしており、自主学習などで対応している学校もあり今から9月入学で再スタートだとカリキュラムをどう構成するかなどの混乱を招きそうです。
生徒たちも半年間をどう考えるかというのもありますが、精神的な部分もケアが必要ですね。
授業料など学費の負担
これは学生よりは親が対象になりますが、半年分の学費はどうなるのかなんてことは考えられます。学校に通っているわけではないのに学費が発生することになりますが、義務教育以外だと特に金額が大きくなり親にとっては大きな問題です。
公立中学や高校は授業料や給食費の減額が始まっている場所もありますが、高額な私立学校などでは大きな問題ですね。オンライン授業などを取り入れて何とか学費を徴収しようとする学校もありますが各学校に相談するしかなさそうです。
9月入学だと誕生日はいつからいつまでが対象
今までの制度ですと4月2日から翌年の4月1日の生徒が同じ学年でしたが、9月入学だとどうなるのでしょうか?この考え方ですと9月2日から翌年の9月1日が同学年になりますが、今後どうするのかは不明です。
今年度に限っては対象の生徒の変更をする必要はありませんが、今後9月入学に変更するのであれば検討する必要がありますね。
まとめ
9月入学に変更するには様々な問題をクリアする必要がありますが、今年度に限っては9月入学式のみ実施してあげるのも良いかもしれませんね。
ただし他の学年にも影響しそうなので学習の遅れを埋めるために夏休みや冬休みなど休みの期間の見直しや授業時間拡大で乗り切るしかないでしょう。
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